腰椎すべり症
- 長時間立っていると腰が痛くなる
- 歩いているとお尻や足がしびれてくる
- 腰を反らすと痛みが増す
- 朝起きた時に腰が固まった感じがする
- 腰の痛みでスポーツや家事がつらい
腰椎すべり症とは?
腰椎すべり症とは、腰椎(ようつい:腰の骨)が正常な位置から前方、または後方にズレてしまう疾患です。
通常、腰椎はきれいに積み重なっているのですが、何らかの原因で前や後ろに滑ってズレることがあります。
これが腰椎すべり症です。
腰椎がズレることで、脊髄(せきずい)や神経根(しんけいこん)が圧迫され、腰痛や下肢のしびれ、歩行障害が生じることがあります。
なぜ、痛いの?治らないの?
原因
●加齢による骨の変化(変性すべり症)
年齢を重ねると、骨や関節、筋肉が弱くなり、背骨を支える力が低下します。
すると、腰椎が不安定になり、前にズレてしまうことがあります。
50歳以上の女性に多く見られます。
主にL4(第4腰椎)で発生しやすいです。
●過去の怪我や腰椎分離症が原因(分離すべり症)
成長期のスポーツなどで、腰の骨にヒビ(腰椎分離症)が入ると、骨が弱くなります。
その影響で、大人になってから腰椎がズレることがあるのです。
10代のスポーツ選手に多く見られ、成人後に症状が悪化することがあります。
主にL5(第5腰椎)で発生しやすいです。
●悪い姿勢や生活習慣
・長時間、猫背で座る
・腰を反らす動作が多い(反り腰)
・重いものを持ち上げることが多い
これらの生活習慣が、腰に負担をかけ続けることで、腰椎がズレる原因になります。
●腰を支える筋肉の衰え
運動不足で腹筋や背筋が弱ると、腰の骨を支えられなくなり、ズレやすくなります。
改善しない理由
▲無理な動作や姿勢を続けている
長時間の立ち仕事や中腰の姿勢が続くと、腰に負担がかかり症状が悪化する。
▲運動不足で体幹の筋力が弱い
腹筋や背筋が弱いと、腰椎を支えられず、すべりが進行しやすい。
▲反り腰や猫背などの姿勢が悪い
腰に負担がかかる姿勢が続くと、痛みが改善しにくい。
▲適切な治療を受けていない
放置したり、自己流のストレッチやマッサージを続けると、かえって悪化することがある。
▲すでに腰椎が大きくずれてしまっている
進行したすべり症は、保存療法では改善が難しく、手術が必要になることもある。
▲神経の圧迫が強くなっている
ずれた腰椎が神経を圧迫し続けると、痛みやしびれが長引きやすい。
▲体の柔軟性が低い
股関節や背中の筋肉が硬いと、腰椎に余計な負担がかかり、回復が遅れる。
▲ストレスや疲労がたまっている
筋肉が緊張し血流が悪くなると、回復が遅れる原因になる。
▲骨や椎間板の変性が進んでいる
加齢による変化で、腰椎が不安定になりやすく、治りにくくなる。
▲適切な生活習慣を守れていない
正しい座り方・立ち方・寝方を意識しないと、症状が改善しにくい。
症状を教えて!予防法はあるの?
症状
◆腰の痛み(特に立っていると痛む)
長時間立ちっぱなしや歩いていると腰がズキズキ痛む。
◆腰を反らすと痛みが強くなる
背中を伸ばしたり、腰を反らす動作(伸展時痛)で痛みが悪化する。
◆お尻や太もも、ふくらはぎにしびれや痛みが出る
腰椎が神経を圧迫し、坐骨神経痛のような症状が出ることがある。
◆長時間歩くと足がだるくなり、しびれてくる(間欠性跛行 かんけつせいはこう)
休憩すると楽になるが、歩き続けると痛みやしびれが強くなる。
◆座ると症状が軽くなる
立っているとつらいが、座ると腰や足の痛みがやわらぐことが多い。
◆足に力が入りにくくなることがある
進行すると、ふくらはぎや太ももの筋力低下が起こり、歩きづらくなることも。
◆姿勢が悪くなる(前かがみになりやすい)
腰の負担を減らすために、無意識に背中を丸める姿勢になることが多い。
◆朝起きたときに腰が固まったように感じる
朝、動き出すときに腰がガチガチになり、痛みを感じることがある。
◆排尿・排便障害が出ることもある(重症例)
まれに、腰椎のずれが神経を強く圧迫し、尿や便が出にくくなる(馬尾症候群 ばびしょうこうぐん)。
予防法
■正しい姿勢を意識する
猫背や反り腰を避け、背筋を伸ばして座る・立つ。
■長時間同じ姿勢を続けない
1時間に1回は立ち上がって軽く体を動かす。
■体幹(腹筋・背筋)を鍛える
腰を支える筋肉を強くすることで、腰椎の安定性を高める。
■股関節や太ももの柔軟性を高める
硬い筋肉が腰に負担をかけるため、ストレッチを習慣化する。
■腰に負担の少ない運動を取り入れる
ウォーキングや水中運動など、腰に優しい運動を行う。
■重い物を持ち上げるときは腰に負担をかけない
膝を使ってしゃがみ、背中を丸めずに持ち上げる。
■適切な寝具を使う
腰に負担のかからない、適度な硬さのマットレスを選ぶ。
■バランスの良い食事をとる
骨や筋肉を強くするために、カルシウム・ビタミンD・タンパク質を意識する。
■ストレスをためない・適度に休む
筋肉の緊張を防ぎ、血流を良くするためにリラックスする時間を作る。
■腰に違和感を感じたら早めにケアをする
痛みを感じたら無理をせず、早めに接骨院や整形外科に相談する。
治るまでの期間は?
症状の程度によって回復までの期間は異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
【軽症の場合(痛みが軽い・初期段階)】
1〜3ヶ月で改善することが多い。
【中程度の場合(神経圧迫がある・しびれがある)】
3〜6ヶ月の治療が必要。
【重症の場合(長期間放置・強いしびれがある)】
6ヶ月以上かかることもある。
どうしたら良くなるの?
「しっかりと治したい!」
「痛みを取るだけでなく、根本的な改善がしたい!」
「今後のケアやストレッチなどのアドバイスが欲しい!」
このような方にオススメなのは、接骨院です。
当院では痛みのある部位だけでなく、身体全体のバランスを診てその方に合った治療法やアドバイスをしています。
治療方法も電気だけではなく、早期回復に向けて症状に合わせた治療器を組み合わせて施術しています。
特にスポーツをしている方は、柔軟性を高めることでスポーツへのパフォーマンスも上がりますので、ストレッチ指導もしっかり行なっていきます。
「どこに痛みが発生しているのか?を画像で見たい!」
「大切な用事があるので、一時的にでも痛み止めで軽減したい!」
このような方にオススメなのは、整形外科です。
ただし、痛み止めは一時的な軽減にしかなりません。
根本的な改善方法は、痛みのある部位だけでなく、大腿四頭筋(太ももの前面の筋肉)の硬さを取ったり、柔軟性を高めることが重要になります。
あくまで、痛み止めは一時的には効果がありますが、炎症が治まるわけではないことを知っておきましょう。
治療法
当院では症状に合った治療法を患者様に提供しています。
痛みが強い場合は、安静が第一優先です!
①電気療法
電気をかけることで、痛みを抑えたり、周りの筋肉をほぐす効果になります。
痛みが強い場合・急性の場合は、冷やすことで炎症を抑えます。
<特殊治療器使用>
細胞や組織が損傷すると、身体の中に流れている生体電流がうまく流れなくなり、プラスイオンとマイナスイオンのバランスが崩れてしまいます。
バランスが崩れた組織内のプラスとマイナスイオンを正常な状態に戻して、痛みや筋肉の萎縮を改善します。
上の写真はアイスレボックスといって、微弱電流治療器で組織修復したい箇所にー2℃まで冷えたヘッドを当てることで炎症や痛みを抑えることに効果的な治療器です。
症状が落ち着いてきたら、患部を温めて血流を良くしましょう。
また、患部を動かすと痛みが出る場合は、コルセットを装着することをおすすめします。
腰を反ると痛い方、こちらの動画を参考にしてください。
装着の方法を間違っていませんでしたか?
腰を反ると痛い方が、「逆巻き」に付けてください。
②手技療法
筋肉をほぐしたり、関節の可動域を高めることで痛みが取れ、パフォーマンス向上にも繋がります。
③運動療法
固まっている筋肉を伸ばしたり、弱っている筋肉を鍛えることで、再発予防になります。