仙腸関節性腰痛(仙腸関節炎)

  • 長時間座っていると腰が痛くなる
  • 朝起きると腰がこわばり、動き出すまでに時間がかかる
  • 腰を捻ったり体を曲げたりすると痛みが走る
  • 階段や歩行時に腰に違和感を感じる
  • 病院やレントゲンと撮ったけど、異常ないと言われた

仙腸関節とは?

仙腸関節(せんちょうかんせつ)は、骨盤と背骨をつなぐ関節のことで、骨盤の両側にある「腸骨(ちょうこつ)」と、背骨の一部である「仙骨(せんこつ)」が接する部分。
体を支える
うえでとても重要な役割を果たします。
人間の体には左右2つの仙腸関節があります。
役割としては、体の安定性を保つ」「衝撃を吸収する」わずかな動きで柔軟性を提供」があります。

 

 

なぜ、痛いの?治らないの?

原因

仙腸関節炎の主な原因は、日常生活の中で仙腸関節に負担がかかる動作や姿勢です。

●悪い姿勢
長時間の猫背反り腰片足重心で立つ癖など、体のバランスが崩れると仙腸関節に負担が集中します。

●重いものを持つ動作
重い荷物を片手で持つ不自然な体勢で持ち上げるなど、関節に無理な力が加わることで炎症が起こります。

●スポーツや運動
サッカーやランニングなど、骨盤や腰に衝撃を与える動きは仙腸関節に負担をかけやすいです。

●加齢やホルモンの変化
年齢を重ねると関節周囲の筋肉や靭帯が弱くなり、仙腸関節が不安定になることがあります。
また、女性の場合、妊娠・出産によるホルモン変化も影響します。

仙腸関節炎の原因は一つではなく、複数の要因が重なることで症状が現れることが多いです。

 

 

改善しない理由

▲仙腸関節が周囲の筋肉に影響を与えるから
仙腸関節が炎症を起こすと、骨盤周囲の筋肉が緊張します。
その緊張が体全体に伝わり、背中や首の筋肉にも影響を及ぼし、肩こりを引き起こすことがあります。

▲姿勢の悪化
仙腸関節炎の痛みをかばうために、無意識に悪い姿勢になってしまいます。
その結果、背中や肩に余計な負担がかかり、肩こりが悪化することがあります。

▲運動不足や血行不良
痛みを避けて動かなくなると、全身の血流が悪化します。
血流不足は筋肉の緊張やコリを助長し、肩こりや腰痛の改善を妨げます。

 

適切な治療を行わないと、仙腸関節炎が原因で他の部位にも影響が広がることがあります。

 

 

どうしたらいいの?

症状

◆腰やお尻の痛み
腰の片側
、または両側に鈍い痛みを感じる。
痛みがお尻や太ももの裏まで広がることがある。

◆動作時の痛み
立ち上がる、歩く、階段を上るなどの動作で痛みが増す。
長時間座り続けると症状が悪化することがある。

◆姿勢による痛みの変化
仰向けに寝た際
や、片足に体重をかけたときに痛みを感じる。
ひねる動作で痛みが悪化する。

◆炎症による硬直感
朝起きたときに骨盤や腰回りが硬く感じる
ことがある。
動き出すと徐々に改善する場合もある。

◆炎症が進行した場合の痛み
炎症が慢性化
すると、痛みが持続しやすくなる。
時に鋭い痛みを感じることもある。

◆片側性の症状が多い
痛みが片側(右または左)
に集中することが一般的。
両側に痛みが出ることもあるが、まれ。

 

【その他の関連症状】
痛みが大腿や膝に放散
することがある。
時には炎症による腫れや圧痛が骨盤付近に現れる。

 

 

予防法

■正しい姿勢を保つ
座るときや立つときは、骨盤をまっすぐに保つよう意識する。
猫背や反り腰にならないよう注意する。

■長時間の同じ姿勢を避ける
長時間座りっぱなしや立ちっぱなしの姿勢を避け、適度に姿勢を変える。
デスクワーク中は定期的に立ち上がり、軽いストレッチを行う。

■骨盤周りの筋肉を鍛える
骨盤を支える筋肉(腹筋、背筋、臀筋、体幹)を強化する運動
を行う。
ピラティスやヨガが効果的。

■関節に優しい運動を心がける
ウォーキングやスイミングなど、関節に負担が少ない運動を選ぶ。
無理なランニングや重い荷物を運ぶことは避ける。

■適切な体重を維持する
肥満は仙腸関節に過剰な負担をかけるため、健康的な体重を維持するよう心がける。
バランスの良い食事適度な運動が大切。

■片方の足に体重をかける癖を避ける
片足立ちや、片方の足だけに体重をかける立ち方を控える。

■冷えから関節を守る
冷えは炎症を悪化させる可能性があるため、骨盤や腰周りを冷やさないようにする。
寒い季節は防寒具を活用し、適切な体温管理を心がける。

■柔軟性を高めるストレッチを行う
太ももやお尻の筋肉を柔らかく保つため、ストレッチを日常的に取り入れる。
特に股関節や腰回りのストレッチが効果的。

■重い荷物を無理に持たない
重い荷物を持つ場合は、両手でバランス良く持つよう心がける。
不自然な姿勢で荷物を運ぶことは避ける。

■無理な動きを避ける
急な動き
無理な体勢(特にひねる動作)を避ける。
スポーツや日常動作で負担を感じたら休むようにする。

 

 

これらの習慣を日常に取り入れることで、仙腸関節への負担を軽減し、炎症の発生を防ぐことが期待できます。
万が一、違和感や痛みが現れた場合は、早めに医師に相談してください。

 

 

治るまでの期間は?

仙腸関節炎の回復期間は、症状の重さや生活習慣によって異なります。

【軽度の場合】
数週間の施術
セルフケアで改善することが多いです。

【中度の場合】
約1~2ヶ月程度
で症状が和らぐことが期待できます。

【重度の場合】
3ヶ月以上
かかることもありますが、根気よく治療を続けることで改善が見込めます。

また、再発防止のためには、正しい生活習慣を維持することが重要です。

 

 

どうしたら良くなるの?

接骨院と整形外科の違い

接骨院と整形外科ではそれぞれのメリットがありますので、把握しておきましょう。

「しっかりと治したい!」
「痛みを取るだけでなく、根本的な改善がしたい!」
「今後のケアやストレッチなどのアドバイスが欲しい!」
このような方にオススメなのは、接骨院です。
当院では痛みのある部位だけでなく、身体全体のバランスを診てその方に合った治療法やアドバイスをしています。
治療方法も電気だけではなく、早期回復に向けて症状に合わせた治療器を組み合わせて施術しています。
特にスポーツをしている方は、柔軟性を高めることでスポーツへのパフォーマンスも上がりますので、ストレッチ指導もしっかり行なっていきます。

 

「どこに痛みが発生しているのか?を画像で見たい!」
「大切な用事があるので、一時的にでも痛み止めで軽減したい!」
このような方にオススメなのは、整形外科です。
ただし、痛み止めは一時的な軽減にしかなりません。
根本的な改善方法は、痛みのある部位だけでなく、大腿四頭筋(太ももの前面の筋肉)の硬さを取ったり、柔軟性を高めることが重要になります。
あくまで、痛み止めは一時的には効果がありますが、炎症が治まるわけではないことを知っておきましょう。

 

 

当院での治療法

当院では症状に合った治療法を患者様に提供しています。

①電気療法
電気をかけることで、痛みを抑えたり、周りの筋肉をほぐす効果になります。

②手技療法
筋肉をほぐしたり、関節の可動域を高めることで痛みが取れ、パフォーマンス向上にも繋がります。

③運動療法
固まっている筋肉を伸ばしたり、弱っている筋肉を鍛えることで、再発予防になります。
ピラティスがオススメです。

 

 

執筆者:柔道整復師
さつきが丘接骨院・整体院 代表 大谷 尚夫

さつきが丘接骨院・整体院 代表 大谷 尚夫

開院当初より約三五年、常に向上心を持ち患者様のニーズに応えて誠心誠意真心こめて施術する事をモットーにやってまいりました。
時代の流れで外傷の診れない接骨院が増える中、さつきが丘接骨院では長年の経験と実績があり、しっかりと外傷(ケガ)が診れる接骨院として自負しております。

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