踵の痛み(足底筋膜炎・踵骨棘)
- 朝起きて立ち上がる時に、踵が痛い
- 初動作時、動き始めの一歩目に踵が痛い
- 土踏まずが痛い
- 踵の前方内側を押すと、痛いところがある
- 歩き慣れてくると、痛みが和らぐ (慢性化すると、歩く度に痛み)
『なぜ、足裏が痛くなるのか?』
歩いたり・走ったり・立っている時に、足裏には全体重や衝撃がかかります。
その場合は、踵に70%、足先の部分に30%が分散してかかります。
もちろん、体重のみだけでなく、地面からの衝撃もかかります。
足の裏の筋肉について知っておこう!
足底筋膜とは?
まず、足底筋膜は、足の5本の指の付け根から踵に張っている筋肉で、足のアーチを支えています。
横から見ると、土踏まずを作る筋肉が踵に付着していることがわかります。
この部分で炎症を起こしたり、踵の部分だけでなく中央部分でも痛みが出る場合があります。
写真を見てわかるように、足底筋膜は中央が特に緊張して足の土踏まずを作っています。
足底筋膜の役割は、ゴムのように伸びることで体重を受け止めるクッションのような役割と、歩いたり走ったりする時の推進力を生み出すバネのような役割があります。
足底筋膜炎・踵骨棘とは?
足底筋膜炎とは?
歩いたり・走ったり・ジャンプをすることで、足底筋膜に繰り返しストレスがかかることで、炎症を起こしてしまいます。
また、立っていることが多くても、痛みを生じます。
特徴は、起床時の一歩目や動き始めの痛みです。
*足底筋膜炎? 足底腱膜炎?
どちらも同じものです。
足底筋膜は、足底の皮膚の下にある膜状の腱のことです。
踵骨棘とは?
文字の通り、踵の骨が棘状(トゲのよう)に突出します。
足底筋膜炎が長引くと、筋膜が付着している部分が前方に引っ張られる時間も長くなります。
そうすると、その部分の骨が増長し、トゲのように前に出っ張っていきます。
踵骨棘の特徴も足底筋と類似していて、歩き出しに踵に針が刺さったような痛みが生じます。
どうすると起こってしまうのか、原因・対処法を知っておこう!
●使いすぎ、オーバーユース
ランニングやジャンプなどが多いスポーツや立ちっぱなしや歩きっぱなしの多い仕事などに発生しやすいです。
●扁平足
足のアーチ・土踏まずが平坦になってしまった状態では、足底筋膜の本来の働きが出来なくなり、クッション性も乏しく、ストレスがかかりやすいためになりやすいです。
●筋肉の柔軟性低下
足の筋肉のが低下することで、衝撃の吸収力やバネ作用がうまく働かなくなります。
特にアキレス腱やふくらはぎの硬さは、足底筋膜に影響します。
硬くなり伸びなくなっても足底筋膜にかかる負担は大きく、柔軟性が低下しているため、なりやすくなります。
●足の指の筋力低下
足底筋膜を形成するのは、足の指を曲げる筋肉です。
そのため、この筋肉が弱くなると衝撃を受け止めることが出来なくなり、足指の踏ん張る力も衰え、発症させてしまいます。
●床や地面の硬さ、靴のクッション性
硬いところで動いていると、衝撃が吸収出来なくなります。
また、柔らかすぎても足を安定させるために、負担がかかります。
クッション性のない靴で歩いたり走ったりすると、足底筋膜に強いストレスがかかります。
●体重増加
足をついた時に衝撃が大きくなり、今までのように作用が出来なくなるため、原因となります。
[治療法]
■運動の休止
痛みが引くまでは、お休みしましょう。
ウォーキングやランニング・ジャンプはもちろん、スクワットのような負担が増すような運動も禁止です。
長時間立っていたりすることも良くありません。
足に体重がかからないようなものであれば、OKです。
足裏に負担をかけないことが、第一です。
なかなか休むことが出来ない方は、歩く量や運動量を減らしたり、シューズを変えたりして、今までかかっていた負担を減らすことが重要です。
■靴
今使っている靴を確認し、靴の底がすり減っていないか、靴の形が変形していないか確認し、すぐに買い替えることをオススメします。
一番良いものは、スポーツシューズのようなスニーカーがベストです。
■インソールやテーピングで緩和
足底にインソールを入れたり、テーピングを貼ったりすることで、直の衝撃を少しでも和らげます。
①正座の状態からつま先を立てた状態になります。
②ゆっくり体重をかけていき、伸ばしていきます。
*痛すぎないように強さは加減し、痛気持ち良い程度にしましょう。
*伸ばすと痛みが強くなる場合は、行わないようにしましょう。
①伸ばしたい方の足を後ろに引き、つま先をまっすぐ前に向け、踵が離れないように体重を前にかけていきます。
*ふくらはぎ・アキレス腱が伸びていることを感じながら、反動をつけずにゆっくりと伸ばしましょう。
▼足の指の筋力トレーニング
足指をグーパーするように力を入れます。
タオルを自分の方へたぐり寄せる運動も良いでしょう。