外側上顆炎(テニス肘)
- 肘の外側に痛みが出る
- 重いものを持つことができない
- 雑巾絞りやボトル開け、ドアノブを回すと痛む
- テニスのバックハンドストローク時に痛む
- パソコンやスマホを使いすぎている
上腕骨外側上顆炎って何?
上腕骨外側上顆とは、上腕骨の下にある骨の出っ張り部分をいい、その外側が外側上顆です。この外側の出っ張り部分には、手首を持ち上げる筋肉や手指を伸ばす筋肉がついています。具体的には、短撓側手根伸筋や長撓側手根伸筋や総指伸筋などがつき、一番出っ張ってる部分には、短撓側手根伸筋がついています。上腕骨外側上顆炎とは、上腕骨外側上顆に短撓側手根伸筋がくっついてる場所が炎症を起こし、肘に痛みが生じます。
上腕骨外側上顆炎は「テニス肘」とも言います。
テニスでバックハンドストロークで打つ方に多く発症しますが、テニスのほかに卓球やバドミントン、ゴルフなどのスポーツやパソコン・スマートフォンの普及で手を使う作業、重いものを運ぶ作業の方にも多く発症します。
原因は?なりやすい人は?
外側上顆炎の多くは、30歳代から50歳代です。重量物の運搬、手をよく使う人なども理由としてあげられます。男女ともに発症するので男性と女性で発症頻度に大きな差はありませんが、主婦に多く見られ、またテニスとの関連で、女性に多くみられることもあります。
「テニス肘」とも言われますが、テニスとは無関係に、家事を含めた労働やゴルフなど重量物運搬などでも発症します。
テニスにおける外側上顆炎の発症には、不適切なラケットの使用やプレースタイルが関わっていると考えられ、週3回以上で発症頻度が高く、特に女性ではこの傾向が大きく関係しています。
どうして起こるの?症状は?
テニス肘と呼ばれていますが、これはテニスの「ラケットを振る」「ボールを打つ」などの動作を繰り返すことで、手首を伸ばす筋肉(短撓側手根伸筋)に過度の負担がかかり、この筋肉がくっついている骨のところが痛むと考えられます。
じっとしている時は痛みはあまり感じませんが、重い物を手で持って運ぶ。手首を反らす。タオルを絞る。重い物を片手で引っ張り上げる。片手で何度も物を持ち上げたり、腕を回すような作業で発症する場合があります。30歳代から50歳代の中高年、また女性に発症しやすいといわれていることから、一度痛むと治りにくく、中高年の女性は筋力も弱くなるので、使い過ぎ以外にも、加齢などの原因も考えられます。
炎症が起こっているところは、骨にくっついている部分にごく小さな断裂が見られ、断裂した部分を修復しようとごく小さな血管や繊維組織の増加が見られます。しかし修復しようとしているにも関わらず、さらに腕を使い続けると骨に対して筋肉が引っ張られ、ストレスが繰り返し与えられることになり、一度痛むと治りにくくなってしまいます。
【診断は?どんな検査をするの?】
レントゲン検査では、通常であれば、骨そのものに異常は見られません。ただ、症状がかなり長期にわたると短撓側手根伸筋がくっついてる外側上顆部に白くもやもやした“石灰”が写ることがあります。
レントゲンの他にMRI検査を行うことがあります。短撓側手根伸筋が付着してるところで障害をおこすと、その部分が白く写ります。
疼痛誘発テストとして、肘を伸ばした状態で手首を手の甲側に持ち上げるように力を入れた時、それに逆らうように抵抗を加える検査(トムセンテスト)、椅子を持ち上げた時に肘の外側に痛みが出るかどうかを見る検査(チェアテスト)などで痛みが増すのも、その症状に特有の現象です。
【痛みが長引く前に、しっかり治療しましょう!】
上腕のストレッチは症状の改善に有効です。また、肘の痛みが出てから比較的早い時期(急性期)には、いたみのある部分を冷やすと痛みが軽くなります。痛みが数ヶ月に及ぶような時期(慢性期)では、逆に温めた方が痛みを和らげる効果があり、慢性期には、筋力強化のためにトレーニングを行いましょう。急性期・また痛みが強い時は、トレーニングはしないでください。
テニスをする時は、テニスエルボーバンドを使いましょう。バンドのパッドの部分が外側上顆より2~3指下にくるように装着し、伸筋を圧迫します。圧迫する事で、骨の付着部ににかかる負荷を軽減し、症状を緩和させます。(日常の障害でも有効ですが、症状によっては効果がないこともあります)
《 当院の治療 》
急性の場合は、痛み・炎症が強いのでまずは微弱電流で痛みを取り、アイシングをしていきます。場合によってはテーピングで固定をします。
痛み・炎症が治まったら肘だけでなく、肩や腕・手首や指までマッサージをして筋肉の凝りをほぐしていきます。
慢性の場合は、最新の治療器で、衝撃波治療器(=体外衝撃波)というものがあります。
体外衝撃波とは、衝撃波を患部に集中させて治療する方法です。あえて患部の組織を微細損傷させることで組織を新たに回復させます。この治療器は慢性の症状に強く、外側上顆炎の他に、肩こり、足底腱膜炎やばね指など、慢性の症状には効果があります。
また、筋力不足・柔軟性低下や猫背も原因の一つになりますので、筋力不足・柔軟性低下の方はエクササイズで向上を目指し、猫背の方はIMS整体や骨格矯正で根本改善していきます。
再発予防のセルフケア
痛みを起こさないようにするためには、自分でストレッチをすることが大切です。
前腕は肘に付着しているため、前腕をほぐすことで肘にかかる負担を軽減できます。
接骨院と整形外科の違い
接骨院と整形外科ではメリットが大きく違います。
それぞれの良さがありますので、把握しておきましょう。
「しっかりと治したい!」
「痛みを取るだけでなく、根本的な改善がしたい!」
「今後のケアやストレッチなどのアドバイスが欲しい!」
このような方にオススメなのは、接骨院です。
当院では痛みのある部分だけでなく、身体全体のバランスを診てその方に合った治療法やアドバイスをしています。
治療方法も電気だけではなく、早期回復に向けて症状に合わせた治療器を組み合わせて施術しています。
特になかなか痛みが取れづらいテニス肘の場合には、ショックマスター(体外衝撃波治療器)がオススメになります。
スポーツをしている方は、当院の施術により柔軟性を高めることでスポーツへのパフォーマンスも上がりますので、ストレッチ指導もしっかり行なっていきます。
「どこに痛みが発生しているのか?を画像で見たい!」
「大事な試合があるので、一時的にでも痛み止めで軽減したい!」
このような方にオススメなのは、整形外科です。
ただし、痛み止めは一時的な軽減にしかなりません。
根本的な改善方法は、痛みのある部位だけでなく、前腕(肘から下の筋肉)や手指の硬さを取ったり、柔軟性を高めることが重要になります。
あくまで、痛み止めは一時的には効果がありますが、炎症が治まるわけではないことを知っておきましょう。
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