むち打ち症(頚椎捻挫・外傷性頚部症候群)
「むち打ち症」は正式な病名ではありませんが、追突や衝突事故に遭うと、首が鞭を打ったようにしなることに由来しています。
むち打ち症は「頚椎捻挫(けいついねんざ)」や「外傷性頚部症候群(がいしょうせいけいぶしょうこうぐん)」のことであり、事故直後は痛みや不調を感じないことが多いという特徴があります。
「頚椎捻挫」とは首の捻挫のことで、首から肩の痛みが出る、首が前後左右に動かない、頭痛がする、などの症状が現れます。また、頚椎捻挫の症状に加えて、頭痛・肩こり・めまい・腕や手指のしびれなど全身症状がみられる場合には「外傷性頚部症候群」と呼びます。
いずれの疾患とも、交通事故の衝撃により首の筋や腱が損傷することが直接の原因なので、レントゲン検査では骨折や脱臼などはみられません。
発生直後は湿布や消炎鎮痛薬を使用しながら、2~4週間ほど首の安静を図ります。症状が落ち着いてきたら、牽引治療・温熱療法などに加え、ストレッチや体操などのリハビリ治療を始めます。むち打ち症は必要以上に安静にし過ぎないことが早期治癒の近道となります。